今回の記事は「公立高校の受験校」について。
高校受験が人生最初の受験、という人は多いです。だからいろいろ迷う。
「志望校はどこにする?」「学校の定期テストで何点取れたらいける?」
「副教科が倍になるって聞いたけど本当?」
いろいろ気になること、ありますよね。
その中でも今回は「普通科か専門学科のどちらに行くべきか」という決め方について書いていきます。
志願できる学科は大きく分けて3種類

「普通科」と「専門学科」の2つにまず分かれますが、「その他の専門学科」が普通科の上のレベルのクラスとして設置されています。
そのため、今回は3つに分けて考えていきます。
- 普通科
- 専門学科
- その他の専門学科
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3種類とも入試の制度も出題される問題も違ってきますよ。
①普通科は中学と似ている定番スタイル
「普通科」は中学と同じように5教科の授業を進めつつ、副教科を学んで大学進学や専門学校や就職に備えていくというスタイル。
こちらは高校ごとに特色があるといってもそこまで大差はありません。
修学旅行がマレーシアやシンガポールなどの海外になったりすることや、放課後に特別勉強の対策をしてくれるなどの程度。
学校の立地や偏差値で決める場合が多いと思われます。
京都公立高校の普通科の例
- 鴨沂高校
- 紫野高校
- 洛北高校
- 北陵高校
- 朱雀高校
中期入試合格 = 内申点が非常に大事!
普通科の前期入試は非常に狭き門です。全体募集人数の10%〜15%しか募集しません。(残り20%〜15%はクラブ推薦)。そこに受験者全員が志望するので倍率が4, 5倍と非常に高くなってしまいます。
そうなると、募集人数が70%と多い中期入試が本番となります。
中期入試では内申点の比率が大きくなります。
内申点195点満点 + 当日のテスト点200点満点 = 395点満点
内申点と当日のテスト点がほぼ同じの「1:1」になっています。
入試の当日の日にはスタートポイントが実はみんな違い、得点の半分は入試日の前にもう決まっていることになります。
②専門学科は高校卒業後就職を考えている人にオススメ
「専門学科」は工業・農業・漁業などの専門性が高く、高校卒業後に進学するのではなく、就職することを考えているようなところです。
高校ごとにかなり特色があるので、学校見学に積極的に参加するようにしましょう。
あまり勉強するのが好きではない人は、このような専門性が高い高校に行く方がいいかもしれません。
5教科の勉強がなくなることはありませんが、最終的に専門分野と半分くらいになります。
京都公立高校の専門学科の例
- 工業 → 京都工学院高校(プロジェクト工学科)
- 農業 → 農芸高校(農業生産・園芸技術・環境創造)
- 商業 → 京都すばる(起業創造)
- 水産 → 海洋高校(海洋科学・海洋工学・海洋資源)
専門学科は前期入試で合格する場合がほとんど
全体の70%の合格者が前期入試で決まります。普通科の前期入試の考え方と逆と思ってもらえると良いです。
また、受ける教科についても前期入試になるので基本的には3教科。
英数国の3教科をしっかり対策して早めに合格を勝ち取りたいところです。
しかし、気をつけなくてはいけないこともあります。
それは途中からの進路変更が難しい点です。
高校生活を送っている途中で「やっぱり進学しよう」となっても、
学校のサポート体制を得られないというのがあります。また、受験生の高3生になっても専門教科の勉強があるので、受験勉強に専念できないというのもあります。
このようなリスクが少しあるところだけ理解して進学してもらえたらOKです。
京都の専門学科の高校は多種多様でおもしろい取り組みをしているところが多いので、ぜひチェックしてみてください。
③その他専門学科は普通科のレベルの高いクラス
「普通科」と「専門学科」の両方がある高校もあります。
例えば、紫野高校、山城高校、堀川高校など。こちらは基本的には「専門学科」はレベルの高いクラスと考えていて間違えはありません。また名前が専門学科でも「その他の専門学科」という名前になります。
この学科は募集人数も少なく少数精鋭で学習していくクラスになります。
京都公立高校のその他専門学科の例
- 山城高校 文理総合科
- 西京高校 エンタープライジング科
- 京都工学院高校 フロンティア理数科
- 堀川高校 探求学科群
- 紫野高校 アカデミア科
前期入試の1回で100%の合格者が決まる
気をつけなくてはならないのは上記の「その他専門学科」の場合は合格者が前期で全て決まってしまうということです。
普通科の場合はだいたいどの高校も前期入試は30%枠しかありません。(多くがその15%をクラブ推薦になるので、実際のところ前期入試は全体の募集の15%になります。)
また独自問題を採用しているところがほとんどです。
公立高校の過去問と比べて難易度が高いです。
難易度も高校の難易度に比例して上がっていきます。
京都公立高校前期入試・中期入試 < 紫野高校 < 山城高校 < 堀川高校
このようにレベルに差があるので、上のレベルの高校を狙う人は、順番に解いていって無理なくレベルを上げていくようにしましょう。
当日のテスト点の比率が非常に高い
例えば山城高校だったらこのようなかんじです。
公立高校の普通科の中期入試の「学力検査:報告書 = 1:1」に比べて、当日のテストの点数の配点が75%とめちゃくちゃ高いです。
つまり、内申点でオール5で3年間やってきても、当日のテストの点数が低ければ不合格になるということです。また、当日のテストの点数さえ取れたら合格できるとも言えます。
各高校どこも独自問題を自分たちで作成しています。そのため、傾向がしっかりとあり、塾で傾向をつかみながら対策をすれば合格できる可能性はあります。
山城高校の文理総合や紫野高校のアカデミア科など、その他の専門学科に合格したい人は過去問を何度も繰り返して解いて傾向を掴むようにしましょう。